家を建てる際の内壁についての検討(注文住宅の特権)
<目次>
はじめに
今回は、注文住宅を建てるメリットの一つである内壁について話をしたいと思います。注文住宅は、建売住宅と違って内壁を自分の好みに加工することができます。それでは何ができるかについて考えてみたいと思います。
- ニッチ壁について
- アクセントクロスについて
- 窓の数及び大きさについて
ニッチ壁について
ニッチ壁とは、壁の片面の一部をへこまして、写真のような「飾り棚」等として利用する壁のことであり、主な用途は以下となります。インターネットで「ニッチ壁」で検索するといろいろな例が出てきますので、参考にすると良いと思います。
- 花瓶を置くスペース(写真参照)→ 一輪挿し、フラワーボックス、リース等を設置
- 絵画・写真を飾るスペース→額がない「色紙」「掛け軸」などがいいかもしれません。
- 鍵等の収納スペース→鍵を壁に掛けると引っかかるので少しへこませた方が収まりがいいです。
- スイッチ・リモコンの設置スペース→照明のスイッチは、まだ良いのですが、照明・エアコンのスイッチは、出っ張ってうまく収まりませんのでニッチを活用するといいですね。※一条工務店では後ろの壁に鉄板等を貼って、マグネットが付くようにしているそうです。非常に良いアイデアですね。
- マガジンラック→美容室にあるようなイメージですね。リビングソファの近くにあると便利だと思います。
- スリッパラック→玄関(階段の手すりの下等)にあると邪魔にならなくて良いと思います。
この写真にはありませんが、階段の手摺下にニッチを作ってスリッパラックがあるといいですね。 - 傘たて→玄関につけることができればすっきりしますが、水対策は必要です。
- アクセントクロスのためのスペース(後述します)
大きさ・場所
- 外壁、耐力壁及び引き戸の引き込み壁には原則設置できません。
- 奥行きは、壁を付加しない場合で最大9cm程度
- 幅・高さはニッチを設置する壁の大きさとのバランスを考えて設置ください。
上部にスポット照明を組み込むことが可能です。
枠は、四方を木枠にすることも可能ですが、重たくなるので、下枠だけ「木」「ガラス」などが良いのではないでしょうか。
丸型や上部アーチ型も可能ですが、その場合はコストが増加しますし、収まりがむずかしいです。
※配線ルートと干渉しないような検討が必要です
設置費用
大きさ・仕様及び工務店によると思いますが、1箇所1万円前後のようです。工務店によっては無償対応してくれることもあるそうです。
依頼するタイミング
コンセントの位置決めのタイミング(上棟した頃)で良いとは思いますが、可能であれば、見積作成時に織り込むことをお勧めします。もし、場所が明確になっていないのであれば、「ニッチ(400×600)を●箇所」で見積に入れると金額でもめませんし、そうすると設置を忘れることもないと思います。
ReAfPieの考え
ニッチ壁は、うまく設置すると非常に効果的だと思いますが、使い道を考えないで闇雲に設置するとほこりが目立つ棚になりますので、実際の用途を考えて設置することをお勧めします。また、邪魔にならないのであれば、額のある絵画・写真は壁に直接設置した方が良いかとも思います。
アクセントクロス(タイル)
部屋の壁の1面(一部)のクロスの色・素材を換えてアクセントにすることです。賃貸住宅では貸主は保守的にならざるを得ないので「当たり障りのない同一色」にするケースが一般的ですが、注文住宅の良いところは自分の好みでクロスを選ぶことができることです。
アクセントクロスのメリット・デメリット
<メリット>
- アクセントクロスを貼るとホテルのように一気に高級感が出る
- 部屋毎に雰囲気を変えることが容易に可能
- フローリングの素材を変更するよりも費用も高くないこと
<デメリット>
- 部屋のイメージ、床の色、カーテンの色、家具、ベッドカバー等の色を確認した上でクロスを選択する必要があるため、部屋のイメージ等と合わない可能性もあります。
- 人によって好みが違うので、ちゃんと話し合わないと家族間でもめる原因となります。
- 色がありすぎると「ガチャガチャ」になるのであまり多過ぎないことをお勧めします。
設置場所
- 基本的に狭い方の壁
- 窓があまりない壁
- 扉の反対側の壁(扉側と対になっても良いと思います)
素材・施工方法
- 少しグレードを高くしたクロス(布クロス)
- ReAfPieの経験上、色の対比が明確な方が効果的
- エコカラットなどのタイルを貼るのも良い
写真のように壁を少しくぼませて(ニッチ壁のように)アクセントクロス+絵画も良いですね
ReAfPieの考え
部屋のイメージ(落ち着いたリビング、明るいキッチン、遊び心のある子供部屋など)を考えてクロスを選択と良いと思います。
家具・カーテン・床・扉等の色合いとのバランスも考慮する必要があります
もし、失敗したと思ったら入居前に貼替も選択肢の一つです
窓について
この回は内壁について説明しているのですが、「窓」についても簡単に触れたいと思います。というのは、日本人は本当に「窓」が好きで、家を建てる人のほとんどは「たくさんの窓」「大きな窓」が欲しいといいます。しかし、たくさんの「窓」は本当に必要でしょうか。
まずは窓の機能について考えたいと思います。
<メリット>
- 採光→確かに必要ですが、実際にその窓からどの程度採光があるか確認が必要です
- 眺望→よっぽどの高台や川・海沿いでない限り眺望は望めません
- 空間の広がり(圧迫感の解消)→これは大事だと思います
- 風通し:→これも必要ですが、あまり大きい窓の必要性はないですが2面に窓があると望ましいです
<デメリット>
- 空調負荷が増加する→窓は外壁に比較して外部の熱を通し易いです
- 窓があると家具の配置が難しくなる。(吐き出し窓の横にベッドが配置されたりする)※越窓だとベッドや机を窓の下に設置可能です。
ReAfPieの考え
結論から言えば、窓は確かに必要ですが、必要以上に大きい窓や数は不要です。特に隣地間の距離があまりない窓は「風通し」のためには必要ですが、「採光」「眺望」はあまり期待できません。そのため、吐き出し窓ではなく「越窓」または「すべり窓」をお勧めします。また、バルコニーや庭へ出入りしない部屋に「吐き出し窓」は不要です。

まとめると、以下となります
- 吐き出し窓は、バルコニー及び庭への出入り口の部屋のみに設置
- 隣地と距離が近い部屋の窓は部屋の大きさに合った「越窓」または「すべり窓」を設置
- 2面が外壁に面している部屋は、風通しのために2面に窓を設置するが、1面は小さい「すべり窓」とする。
さいごに
いかがでしたでしょうか。ニッチ壁もアクセントクロスも「注文住宅」ならではの特権です。ぜひいろいろと考えて見てください。工務店は手間が増えるだけですので、自ら提案しないかもしれませんので、依頼者の方から提案していく必要があります。
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