家の設計を設計事務所に依頼するメリット・デメリット

 

設計:村岡建築デザイン事務所  PHOTO 古川泰三

 

はじめに(設計事務所に依頼ってどう?)

家を建てる際に設計事務所に設計を依頼したいと一度は考える方も多いと思いますが、実際に相談する人は少ないのではと思います。それは、なぜでしょうか。その理由などを考えてみます。まずは、以下のような不安があります。

<不安>

  1. 設計料が高そう(値段が書いていない(時価)お鮨屋さんみたいで怖い)
  2. 建築費が高くなるのではないかと心配(つい、うに、あわび、大トロを頼んでしまって後悔する)
  3. 自分の建てたい家のセンス(考え方)が建築士と合うかどうか不安
  4. 建築士との相性が合うか心配
  5. どうやって探したら良いか分からない
  6. 建築士に何を依頼(話)したら良いか分からない。

確かに上記の通りだと思います。ReAfPieも大学で建築を専攻しましたので、設計事務所(住宅メイン)を開業している友人もいますが、友人の場合は、「本音」で話すことができます。しかしReAfPieでも友人以外には本音で話をすることは難しいと思います。

それでは「不安」について解消方法を考えてみたいと思います。

1.設計料:一般的に言って、建築費の15%前後です。これを高いと見るか安いとみるかは依頼主の考え方次第です。確かにハウスメーカーの設計料は5%前後だと思いますが、実際のお客様との調整はほとんどハウスメーカーの担当者が行いますので、そちらの経費は、請負代金(建築費)に含まれています。ハウスメーカーの営業経費率は「家づくりを応援する情報サイトによると」5%となっています。それでも15%は、高いではないかというご意見もあるかと思いますが、設計事務所との打ち合わせの時間及び満足度を考えてみるといかがでしょうか。以下のような「子供がかくれんぼして遊びそうな家」はハウスメーカーでは難しいと思います。

設計:村岡建築デザイン事務所  PHOTO 古川泰三

また、設計事務所で工務店等の「入札(相見積)」及び「見積査定」をすると競争原理が働くので確実に建築費が下がると思います。後で説明しますが、工務店等が「ひも付きの場合(紹介会社が工務店を紹介する場合)」は下がりにくいです。当たり前ですが、紹介会社に紹介料を支払うために建築費をその分増額する必要があるためです。

2.建築費が高くなりそう:設計事務所に依頼して、建築費を高くするのは主に依頼者です。なぜなら、設計事務所に頼む方はデザイン・機能にこだわりがある方が多いので、すぐに「特注品」や「一般的ではない製品」を採用しがちだからです。もし、ハウスメーカーの標準仕様レベルで製品を採用すると決して高くはならないと思います。しかし、そうすると設計事務所に依頼した意味がないという人もいるとは思いますので、コストとこだわりの「バランス」が大切だと思います。そのバランス(費用対効果)についても建築士は相談に乗ってくれるはずです。(例えば、キッチンは既製品にするが、壁面は一部モザイクタイル貼にするとか)

3.建築士とのセンスについて:非常に難しく簡単な話です。ポイントは2点です。①建築士の過去の作品を見せてもらう(できれば、現地で建築士の解説付で)②建築士のライフスタイル・考え方を聞くことです。

①については、主に意匠面及び建築士のこだわり、②については機能及びコストについての考え方がわかると思います。①が良くても②が合わないと「建築雑誌に載せることが目的の家」になるかもしれません。逆に②が合えば①については、一緒に考えれば良いと思います。(「うちの鮨(設計)に文句(値段含めて)があるのなら出て行け」といいそうな建築士かどうかは判断できると思います。)

4.建築士との相性:これは先ほど話をした「建築士のセンスについて」と同じで建築士と話をして把握するしかないと思います。話をすると建築士の「こだわっている部分」が見えてくると思います。

こだわりがない建築士はあまり良くありませんが、依頼主の要望を聞かずに建築士のこだわりを優先(押し付ける)する建築士はさらに良くないです。

建築士に依頼した友人から聞いた話ですが、その建築士に「私は料理人と同じなので、料理を作ることにお客は口を出さないでくれ」と言われたそうです。それも一理あるとは思いますが、すばらしい料理人は、「お客様の要望を聞いて、要望以上の料理を出す」ことだと思います。

ということで、建築士との相性は非常に重要ですので、「作品」「評判」にとらわれすぎずに「相性」も重要な判断材料としてご検討ください。相性が合えばいろんなことが相談(話しやすい)できますので、結果「よい家」が建ちます。

5.「建築士をどうやって探す」かですが、一般的には以下の方法だと思います。

  • 建築雑誌等の媒体から
  • ASJ(アーキテクツ・スタジオ・ジャパン)・OZONE・建築家紹介センター等の紹介会社を活用
  • 友人・知人の紹介
  • 近所の家を見て

さて、・建築雑誌等の媒体からについてですが、写真だけでイメージと予算が分かれば良いのですが、一般的には難しいと思います。

・ASJ等の紹介会社を活用ですが、ASJさんは、折込広告が入っていて時々入っているのですが、照会される設計事務所は良い設計事務所ですし、施工会社もしっかりしている会社だと思います。しかし、ASJが工務店・設計事務所から紹介料(2018年3月期の同社の決算資料によると請負代金の約8%程度)を受領していますので、その分建築費が高くなります。OZONEさんに設計事務所・工務店からの紹介料があるかどうかは不明ですが、(マンションコミュニティ)では10%と記載されています。(ReAfPieは未確認)また、別途コンサルティング費用が発生します。建築家紹介センターは、建築士が紹介センターに支払う形式です(設計料に対しての紹介料ですのでASJが設計事務所・工務店の両方から収受する手数料より小さいと思います。)一般的には、紹介会社を利用すると紹介料が「設計事務所」及び「工務店」から紹介会社に10%前後支払われるようです。(詳細未確認です)

・友人・知人の紹介は良いのですが、自分に合った設計事務所が見つかるかどうかは、紹介される設計事務所が少ないので「運」によりますし、断りにくくなります。

・近所の家を見ては、近所に建っている「いいなって思っった家を見つけた場合」の設計事務所の探し方は①その家の人に聞く、②行政(市の建築指導課)の「記載事項証明書」を取得すると設計事務所の名称が記載されていますので、その設計事務所のホームページを見て連絡することが、一番効果的かもしれません。

ReAfPieとしてのおすすめは、④または②の建築家紹介センター等の紹介料があまり高くない紹介会社を利用するか、「OZONE家design登録建築家一覧」または「ASJの登録建築士」から気に入った設計事務所のホームページ等を見て直接設計事務所に連絡することですReAfPieは、建築学科を卒業し、不動産会社に勤務していますので、平気で設計事務所にメール・電話することができますが、一般の方にとってハードルが少し高いかもしれません。しかし、そのハードルを越えるしか紹介会社を介さずに「良い(合う)建築士」と出会うことは難しいと思いますので、ぜひハードルを飛び越えてください。そのハードルを越えることが難しい人は、建築家紹介センター等の工務店が紐付きでない(工務店が自由に選べる)紹介会社を利用するのが良いかと思います。

さいごに5.建築士に何を依頼して良いか分からないですが、建築士と話をするのは、主に以下です。建築士は家づくりのプロですので、以下の話をすれば、逆にいろいろと質問(確認)をしてくれると思います。※参考までにヒアリングシートをご活用ください。

  • 保有している土地の情報(保有していない人はその旨)
  • 予算
  • 家族構成
  • どんな家を建てたいかの「思い」「希望」
  • 建築士に対しての質問(あれば)

この時点で、具体的な間取りの希望・面積は不要です。あくまでもイメージ(思い)を伝えることが目的です。

<メリット>

やっと設計事務所に依頼するメリット・デメリットについて話をしたいと思います。

  1. 自分のセンス(好み)で細部までこだわった家を建てることができる。
  2. 納得するまで建築士に相談することができる
  3. 同じ図面・同じ仕様で工務店等を入札(相見積)することができるため、工務店の価格比較ができる。→結果納得した価格になる。
  4. 施工監理もしてくれるので施工についても安心

<デメリット>

  1. こだわり過ぎる(特注品の使用等)と建築費が高くなる可能性がある
  2. 建築士との相性・センスが合わないと大変(かなりのストレスを抱える)かもしれない。
  3. 自分でプランを作成し、直接工務店に入札(相見積)する人よりは設計料分高くなる可能性がある。(これはレアケースだとは思います)

まとめ(自分及び予算に合った建築士がみつかったら建築士に依頼することをおすすめします)

自分のセンス(好み)・ライフスタイル及び予算に合った建築士を見つけることができれば、全てうまく行くと思いますが、見つけるまでが大変だと思います。しかし、設計事務所に直接連絡して、話を聞いていくといろいろと勉強(設計事務所にお願いしなくても役に立つ)にもなりますし、自分の考え(間取り・予算・ライフスタイル等)もまとまってくるので非常に役立つと思います。

ただし、建築士も忙しいので、時間を合わせた上で自分で足を運んで事務所に訪問する必要がありますので、その分手間が掛かります。

設計事務所の選定から着工までの流れ

(1)自分の家のイメージ及び予算を考える「家を建てる目的の整理」参照

(2)ASJ,OZONE等の登録建築家一覧から①事務所のエリアが建設地と同じ②自分のセンス(好み)・考えに合いそうな設計事務所を数所程度選定(友人・知人の紹介があればその設計事務所も加える)

(3)選定した建築士にメール等で①家作りのコンセプト②予算③場所④時期等を記載し、対応可能かどうかを確認(予算、時期等で断られることもあると思います)

(4)設計事務所から検討可能との回答があったら面談を実施

(5)3所くらいの設計事務所と面談して「予算・センス・相性」等が合う建築士を選定

※合う建築士がいなかった場合、(2)から再度実施。

(6)プレゼンテーション(ラフプラン及び概算予算(建築費含む)の提案) ※ここで、建築士が自分のイメージに合っているか、予算に合っているかを確認する重要なポイントとなります。もし、自分のイメージ及び予算に合っていない場合は一から他の建築士を探すことなるかもしれません。なお、通常ここまでの費用は「無償」と思いますが、建築しと確認しながら進めるとトラブルの防止になります。

(7)設計契約締結

※(7)の契約が先か、(6)のラフプランの作成が先かは建築士と相談になるので要注意です。

(8)設計打ち合わせ開始→基本設計完了

(9)工務店選定手続き→数社選定→入札(相見積)→工務店決定※本来は、(10)実施設計を実施してから工務店選定をするのですが、ReAfPieとしては、コストダウンのためには、実施設計に工務店の意見も取り入れたいと思うので、実施設計は工務店選定後に行う方が良いと考えます。

(10)実施設計作成→建築確認申請

(11)工務店の正式見積→建築士による精査→請負契約締結

(12)着工

上記は土地を既に保有している人の流れになりますが、土地を保有していない人の場合は、(3)の段階で「土地を保有していない」と伝えたうえで(5)まで進めていると土地が見つかった際にスムーズです。というのは、(1)~(3)までにかなりの時間が掛かるためです。

いかがでしょうか。建築士と家を建てるのはいかがでしょうか。建築士と家を建てるのに一番重要なのは、依頼主の「良い家を建てたいという思い」ではないかと思います。本当にその思いが強ければ全て解決すると思いますが、弱ければ「単なる苦痛」になるかもしれません。本当に結構大変だと思います。

ReAfPieは、そのような人に寄り添ってサポートを行いますので役に立つと思います。

さいごに

今回使用した写真は、大学時代の同級生の村岡建築デザイン事務所の作品です。本作品をみるだけで、依頼者と設計事務所の「信頼関係」や「思い」が伝わってくるように感じられます。みなさんも設計事務所に依頼したくなったのではないでしょうか。ReAfPieとしては、設計事務所のメリット・デメリットを良くお考えのうえご判断いただければ良いと思います。

ちなみに村岡建築デザイン事務所は、兵庫県を拠点としていますので関西の方でご興味のある方は直接ご連絡いただければ幸いです。

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