家づくりの固定観念について考えてみる①(西向きってどう?)
はじめに(家づくりの固定観念)
家づくりは、迷信、しきたり、固定概念がいろいろとありますが、それらに縛られると理想の家から遠くなるケースが多々あります。確かに合理的、物理的な裏付けのある固定観念はありますが、地域(九州と北海道)によっても違いますし、技術の進歩によって改善しているもの(断熱性、遮光性等)もあります。そのため、「家づくりの固定観念」についていくつか考えてみたいと思います。
方位について
まず、初回は「方位」について考えてみたいと思います。おそらく日本人100人に聞けば、80人以上は「南向きの家が良い」と言うと思います。実際、分譲マンションでは南向き>東向き>西向き>北向きと値段が違います。
確かに南向きは合理的な理由によりとても良いと思いますが、マンションとは違って、戸建て住宅の場合、南向きでかつ採光が取れる土地は限られています。1階リビングとした場合で南側からリビングへ日差しが入る土地は以下に限定されるのではないでしょうか。
- 間口のある程度広い南側道路(狭い間口だと玄関を取るとリビングが取れないかもしれないです)
- 南側の隣地との間が約5m程度以上確保できる敷地
実際に、30坪前後の家及び間口が狭い家では難しいのが現状です。
さて、南向きの家が良い理由は以下です。
- 冬に日差しが入ってくるため、明るく、温かい
- 夏は、庇・軒により日差しは入ってこないため涼しい
確かにそうだと思います。南向きはデメリットが少なくとても理想的だと思いますが、地価の高い都市部では本当に「理想」だと思います。
東向きはどうでしょうか。
- 朝、日差しが入るのですがすがしい(体内スイッチがオンになる)
- 夏は、日差しが部屋の奥まで入ってくるのでまぶしい・暑い
- お昼前から日差しが入ってこないで暗い
南側と違ってデメリットが多くなってきましたね。また、朝の日差しも昔と違って家族そろって朝食をとらない家ではあまりメリットではないかもしれないですね。
次は西向きです。
- 朝は日差しが入ってこない
- 冬は午後から、日差しが部屋の奥まで入ってくるため、あたたかく、明るい
- 夏は、日差しが部屋の奥まで入ってくるため、まぶしく、暑い
西向きは、メリットとデメリットが両方とも大きいです。そのため、好みが別れるのではないでしょうか。私は、冬の明るさを優先しました。
最後に北向きです
- 日差しがほぼ入ってこない
- 夏の朝と夕方だけ日差しが入ってくる
- 家具が焼けない
- 一日中明るさが安定している。
北向きは、ヨーロッパでは人気のある向きだと聞いていますが、その真偽は確認したことがないのでなんとも言えないです。明るさは、照明で対応可能ですし、寒さはペアガラス及び空調システムで対応可能だと思います。強いて言えば、日中でも照明をつける必要があること、冬の暖房代が少しかさむことだと思います。メリットはあまりないかもしれませんが、そんなにデメリットは大きくないと思いますがいかがでしょうか。
まとめ
さあ、いかがでしょうか。南向きが一番いいとは思いますが、他はどう思いましたか。
西向きは確かに、昔はかなり暑かったです。しかし、最近はLow-eのペアガラスがほぼ標準仕様となってきました。それにより、家に入ってくる日射量及び熱はかなり削減されたと思います。また、南向きと違って、家族が集まりやすい「午後~夕方」にかけて日差し(真南だと3時以降は日差しが入ってこない)があります。確かに、Low-eガラスでも暑いという意見はあると思いますが、窓を少し小さめにするとか、オーニング・シェードを付けるとかすることにより夏の日差しを遮ることができます。

また、東向き、北向きについても「2階リビング」としたり、吹抜を設けてトップライトから日差しを取り入れることは可能です。間口6.7mの北側道路の家をご参考にしてください。
物理的に南側からの採光が難しい場合でも今の技術や間取りの工夫で明るく、温かい家ができます。敷地が狭いからとか方位が悪いからとか言ってあきらめるのではなく、「間取りを工夫」して納得できる家を建ててください。
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